出産レポ④_分娩台にて

「もう無理~!」「できない~!」などと叫びながら分娩台に上った後、いきみはまさに最高潮になり、助産師さんや女医さんの指導を受けながらもうなすがままになっていた。

「うまいよ!もう1回~」
ってのを3回くらい聞いたような気がする。
その後、
「頭見えてるよ。次で産もう」
と言われ、まったく実感はなかったがとりあえず渾身の力を振り絞って押し出した。


「あ、きたきた。あ~、赤ちゃんの首にへその緒が巻き付いてて、心音下がってるから、切開して早く出そう」
女医さんのその言葉で、わたしはやむなく会陰を切開することになった。

多くの人同様、わたしもなるべくならしたくないと思っていた切開。だけどこのときは正直、「とっとと切ってくれ~!早く取り出してくれ~!」と願った。

切開の感想は・・・麻酔したせいか何も分からない。

「じゃ、もう1回、これで産もう」
てなわけで最後の力を振り絞って精一杯いきむ。

するとぬるりと何かが出てくる感覚があって、ちょっとしたらそれが「オギャーオギャー」と泣きだした。

「赤ちゃん?赤ちゃん?!」
今思えばアホなわたしの言葉に助産師さんはわざわざ「そうだよ~」と答えてくれ、早速カンガルーケアで産まれたての赤ん坊をわたしの胸の上に置いてくださった。

赤ちゃんはわたしの上でぎゃんぎゃん泣いている。元気いっぱい。
温かい肌の感触、生き物の感触。

この時のわたしの感想は、「本当に赤ん坊が入っていたんだ…」というもの。

エコーなどでは確認していたが、自分の中から本当に赤ちゃんが出てきた!ということに正直驚いていた。

いろいろな検査の後、また脇に戻ってきた赤ん坊を見ても、なんだか信じられない気持ちでいっぱいだった。

赤ちゃんは、産まれたばかりなのに顔つきが整っていてちゃんと人間らしい顔をしている。

「おっぱいくわえさせてみたら?」
という助産師さんの言葉を受け、乳首を赤ん坊の口元に近づけると、早速「パクッ」とくわえだした。

「すご~い!」
産まれたばかりなのに分かるんだね…。

そのまま初乳を飲ませ、2時間ほど分娩室で赤ん坊を抱いて過ごした。

ちなみにバースプランに書いていたとおりに胎盤も見せてもらったのだが、生のレバーそのものって感じで、大きさは食パン1枚よりひとまわり大きいくらい?なんだか感動だった。

出産直後、助産師さんに「どうだった?」と改めて聞かれ、
「もう絶対産みたくないです」
と答えたのは正直な気持ち。それくらい陣痛は痛かった。

だけど3週間ほど経ってみて・・・
もうすでにあのときの痛みを忘れかけている。

こうやって痛みは忘れるようになっていて、またみんな子供を作ろうという気になるんだろうなぁ~。


Baby
産まれたばっかり。超カワイイ。


出産レポ③_18:00頃~分娩室まで

病院までタクシーよりも歩いて行った方が早い距離とはいえ、この時はその5分がとてつもなく遠く感じた。

なにしろまともに動けないもんだから、ちょっと歩いては立ち止まって…の繰り返しで、やっとたどり着いた頃にはもうしゃべることもできないくらいになっていた。

自動ドアに入り、受付のところで警備員に「面会ですか?」と聞かれるも、辛くて説明することができない。

その場でうずくまって倒れ込むわたしを見て警備員は「これは産気づいた妊婦だ」と思ったらしく、何も言わずに早速、車いすでナースステーションまで連れて行ってくださった。

そこでわたしを担当してくれる助産師さんが出迎えてくれる。

「あらあら、心配してたのよ。大丈夫~?!」

優しい言葉にわたしは泣き崩れてしまい、安心したのかそこから涙が止まらなくなった。

助産師さんは泣いているわたしを陣痛室へ連れて行き、少し子宮口の開き具合などを見てから、
「3cmくらい開いているからお産にしましょう」
と言っていろいろと手はずを整え始めた。

「まじか~!」
と思い、心の準備がついていかずに余計に泣いてしまう。

すると、
「泣いてもいいけど、無駄に体力消耗しちゃうよ」
と言われ、ふと我に返り、
「もうここまで来たら産むしかない」と心を入れ替えることができた。

この助産師さんは本当に最後までとてもよく面倒をみてくれて、わたしはこの助産師さんが大好きになるのだが、この時は顔も見れないほどに意識が朦朧として余裕がない状態だった。

「痛い~!痛いよ~!」
と叫ぶわたしに、
「痛いね~、よく頑張ってるよ、うまいよ」
と声をかけてくれる助産師さん。

これがどんなに心強かったかと言ったらない。

そうすること数時間。それでもなかなかわたしの子宮口は全開大まで開いてくれない。

いきみが我慢できなくなり、「ぎゅーっ」といきんだところで骨盤が開く感覚があった。

「今、骨盤に赤ちゃんの頭が下りてきたよ。分かった?」
と言われて、首を縦に振る。

「あなたいきみながら広げるタイプかもしれないね。めいっぱいいきんでみて!」

助産師さんのその言葉で、わたしは子宮口が広がるイメージをしながらとにかく体がいきむのに任せた。

横向きになっていた体をよつんばいに持ち上げ、もうなすがままにいきみまくった。

とにかくこの時の痛みといったら!

「痛いね~!『この野郎!』って言いたくなるような痛みだよね」
と助産師さんが言うとおり、本当に腹が立って仕方ないような痛みだ。

わたしの願いは1つ。
「いい加減に子宮口広がってくれ~!」
ということ。

だけど助産師さんは「破水すればお産が進むんだけどね~」
と言い残してわたしを1人にするではないですか。

わたしは心細さと恐怖でいっぱいになりながらもじっと耐えた。
「どうすれば破水するんだろう…破水しなかったらどうするんだ?」
余計なことも考えた。

手すりを必死でつかみながら、短いペースで来る陣痛の波にただ体を任せる。
心だけが置いてきぼりでついていかず、「もうやだ~!」と何回も泣いて叫んだ。

その時お水を手に取ろうとしてペットボトルを倒してしまうも、それをなおすこともできなかった。

意を決してナースコール。

「あらあら・・・」
助産師さんが再び現れてわたしの中に手を突っ込み、子宮口をぐりぐりとやる。

「もうすぐかな」
と言われたところで、「ポンっ」という音とともに破水。(もしかしたら助産師さんが指で破水させたのかな?)
「ほら、破水した。これで広がるよ~」

いったい何がどうなっているのか??
もはや分からないけど、終わりが見えてきたようでこの時は少し嬉しかった。

夜中の23時ごろ、ついに「じゃ、分娩台に行こう!」という言葉を聞く。

そのときちょうどのタイミングで仕事を終えた旦那が陣痛室に現れた。

「あれ?立ち合いだっけ?」
と聞かれたが、わたしは首をぶんぶんと横に振った。

「絶対こんな姿を見られたくない!」
と真剣に思ったからだ。

車いすで分娩室まで行き、やっとの思いで分娩台に上がるわたし。

それから数十分間、絶叫するわたしの声を旦那は廊下で聞いていたという…。


出産レポ②_1/27早朝~18:00頃まで

1/27の朝、気づけば陣痛の合間にわたしは眠ってしまっていた。

8時に出る朝食の合図で目が覚める。

それを痛みをこらえながらも完食し(笑)、その後もただ横になっていた。

するとお昼ごろ看護士さんが登場し、
「陣痛、おさまったようですね」
と言ってきた。

「いや~、そんなこともないですけど?」
と答える。

「でも、お腹の張りがだんだん弱くなってきているようですよ」
分娩監視装置をみながら看護士さんは困ったような顔をしている。

「昨日の昼間のが『いい陣痛』でこれが『弱い陣痛』か?!」

わたしはお腹に巻きつけられているその装置の正確さを疑ったが、眠れてご飯も食べれたという理由で、看護士さんにはこの痛みが分かってもらえず、結局再び病院を帰されることになってしまった。

「もっと陣痛が強まってから来てください」
と言われ、
「けっこう痛いんだけどな~??」
と思いながら、休み休み病院を出た。

その後家に帰ってからが本当に辛かった。

2、3分置きくらいに押し寄せてくる強い陣痛。

夕方4時を回るころには痛みで布団にうずくまり「ふーっ」と溜め息や冷や汗が出るほどになっていて、それでもどれくらい強まれば病院に行っていいのか分からず(また帰されるのも嫌なので)、ひとりでただひたすら数時間耐えていた。

「今日一晩乗り切れるのかな…」
と鈍い頭で考えていた午後5時頃、トイレに行くと大量の出血があった。

「わーっっ!」

わたしは完全にパニックになり、これはもう迷っている場合ではない!と思って病院へ電話をかけた。

病院も「すぐ来てください」とのこと。

この時わたしは、「あ、これで入院できる…」と妙に安堵した。

でも、絶対安静か何かの理由で入院で、まさか着いてすぐに出産になるとは思わなかった。


食事_2   食事_1
病院で出た朝食と昼食。

陣痛で痛いはずなのに、食事の写真だけは忘れずに撮っている(笑)(笑)

出産レポ①_1/26~1/27早朝迄

今日から何日かに分けて、陣痛~出産までの様子を書き留めておこうと思う。

こういうことは書いてないとすぐに忘れてしまうし・・。

結果的に、わたしは分娩台に上がってから約30分で産むという超スピード出産だったわけだけれど、
陣痛室に行くまでが遠く長い道のりだったように思う。

振り返って1月の26日、おしるしがあった日の午前中に定期健診があり、そこで出血が多いと言われて一度は強制入院した私。

そこで胎児の心拍数とお腹の張りを測る分娩監視装置なるものにつながれて、夕方まで様子をみることになった。

「いい陣痛が来ているね~」と言われるも、自分では「え?こんなもん?」というくらいの生理痛くらいの痛みで、それもだんだんと弱くなり、「あの~、帰りたいんですけど。」と言うと、出血もそんなになくなったとの理由で、結構簡単に帰らせてもらえた。

問題はその日の夜、一気に陣痛が強まりだし、夜中、中途半端だった入院の用意をふーふー言いながらやり直して、1人で歩いていざ病院へ。

この時は歩いてすぐの病院でも何度も立ち止まらなくてはならないほどの痛みだった。


よく「陣痛やっぱり痛かった?」と聞かれるけど、
ホント痛いです。

私の場合、具体的には、ハンマーで腰をガンガン叩き砕かれるような痛みでした。

それがけっこう5分おきくらいにくるものだから、その間はまったく動けませんでした。

でもその陣痛と陣痛の合間はこれまた不思議でまったく平気になるので、
「ふ~、イタタタタ・・・ちょっと待って・・・は~おさまった。それで、何だっけ?」
みたいなことを延々と繰り返しながら何時間も耐えていました。

でも、この時はまだ知らないんですね~。
これがまだ前駆陣痛の段階で、本陣痛の痛みがあれほどのものとは…。

本陣痛では、会話なんてできないです。
会話どころか、意識さえもぶっとんでしまうので、これは今思えば予行演習のようなものでした。


さて、そんなこんなで病院へ入院道具一式持って入る私。

入院部屋に通されて、「いよいよか~」と思ってドキドキしながら朝まで過ごします。

病院の個室。すごく綺麗だった。

個室①   個室②

個室③   個室④
洗面台、シャワー、トイレ完備でした。

おしるし

今日の明け方、なんとなくお腹と腰が痛いかな~?と思ってトイレに行ったら、少量の出血が!

これは世に言う「おしるし」ってやつじゃない

突然でビックリだったけど、王道をいっている自分にちょっと感動

しかし喜んでいるのも束の間、陣痛らしきものが始まってきたので、慌てて家事などを済ませ、ちょうど午前中に健診があったので早速診てもらうことにした。

そしたら先生、
「ちょっと出血が多いですね~。このまま入院という形で診させてもらってもいいですか?」
とおっしゃるではないですか

混乱しているなか、わたしはそのまま車椅子で入院病棟まで連れて行かれ、そこで早速お腹の張りや赤ん坊の心音を診る機械につながれた。


「なんにも入院の用意とかしてないんですけど・・・」
と言うと、
「ご家族の方に持ってきてもらうことできますか?」
とのこと。

ちょっと混乱しつつ、とりあえず様子をみることにした私。

だけど結局、そんなに陣痛もひどくならず(痛いけどまだしゃべれるくらい)、出血も止まったので、よく話し合ったうえ、いったん家に帰れることになった。

「あなた痛みに強いわね!」
と帰り際に言われる。

それがいいことなのか?悪いことなのか?!

でもとにかく、昨日とは全然違う感覚だ。

家に帰って来てから、陣痛の間隔は広まっているけど、若干、強くはなっている気がする。

予定日より2週間くらい早いけど、もしかしたら近日中に生まれるかもしれない。